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「正しい側」にいられない人たちへ。カリギュラオーバードーズ。

砂
Aug 2, 20261 min read
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ルソナシリーズにおいて、3以降のペルソナが広く開かれる過程で捨象されたものがある、という話を以前書きました。

ペルソナ2罰やったよ記と、P3以降のペルソナが失ったものの話|砂

女神異聞録ペルソナ(以下1)やったのとペルソナ2罪(以下2罪)やったのに続いて、ペルソナ2罰(以下2罰)もプレイしてクリアしました。例によってPSPリメイク版。これでペルソナシリーズのナンバリングは一通り触ることができました。 ペルソナ2 罰 | アトラス公式サイト 株式会社アトラス公式サイト。ペルソナシリーズ、真・女神転生シリーズ、世界樹の迷宮シリーズをはじめ、アトラスのゲームタイトル www.atlus.co.jp PSP版しか遊んでいないので、挙げていく要素が、2罰自体のものなのか、リメイクによって改善されたものなのか定かではありませんが

しかし同時に、P3以降のシリーズがこれまでのファン以外にも開かれ、誰でも遊べる楽しいRPGとして進化していった影で、P3以降で失われていったものもあるように思います。それは取り返しのつかないことをしてしまったもの、自分ではどうにもならない業を背負った者への切実な眼差しです。

ならばいつかは、それを確かめるためにその後の里見直と向き合わなければならない。向き合いました。カリギュラです。オーバードーズ版。小説も読みました。カリギュラ2も続けてプレイ中です。

「Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ-」公式サイト

Overdose<過剰強化>された「Caligula -カリギュラ-」PlayStation4に登場!「Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ-」2018年5月17日発売

里見直に向き合うつもりでプレイを始めた本作ですが、プレイ開始から30分で里見直の前にフリューゲーと向き合う羽目になりました。

カリギュラは、ゲームとしては全然面白くありません。一方で、プレイ後に小説版を読み、すぐに続編を遊ぶぐらい、私はこのゲームに心を惹かれています。

このゲームは減点方式で見た場合、開始30分で40点ぐらいまで一気に減点され、その後じわじわと20点ぐらいまで下がるゲームです。なので以下にこのゲームに対する文句を書き連ねますが、本題とは関係がないので中略しますね。

中略

中略

カリギュラの舞台であるメビウスは、現実で様々な悩みを持ち、そこから逃れたいと願う人々が誘われる世界です。そこはμという名のボイスロイドが人々の願いを叶え続ける楽園のようなハリボテの世界。

その世界の矛盾に気付き、現実に帰りたいと行動する「帰宅部」と、メビウスの世界を維持し、現実に帰りたくない「オスティナートの楽士」たちの戦いが描かれます。

敵も味方も現実で悩みを抱えている等身大の一般人ですから、その戦いは全体的にグダグダです。なんかどっち陣営も行き当たりばったりだし、割とあっさり楽士側から帰宅部に寝返ったりするし、味方側にマジモンの犯罪者(改心してない)がいるままなんとなくなあなあで話が進んだりします。

そんなキャラクターたちの多くの悩みは、些細でありふれていて、それでいて当人にとっては切実なものです。カリギュラは、ゲーム中の露悪的なテキストとは裏腹に、そんな彼/彼女たちに隣に何も言わずにいてくれるような、優しい目線を持っています。

そしてその目線がより際立つのが楽士ルートです。オーバードーズで追加された楽士ルートでは、敵であるはずのオスティナートの楽士側の人物に扮して、楽士たちのパーソナリティーをより知ることができます。

現実で問題を抱える楽士たちは皆自分勝手で、チームとしてのまとまりはまるでありませんし、衝突も絶えません。しかしそれでも楽士たちの人間味はどこかユーモラスに描かれていて、敵であるはずの楽士たちをだんだん敵として見れなくなっていきます。具体的にはスイートPのことがどんどん好きになっていきます。

この辺りの味は、私が初代ペルソナで感じていた味。

ありました。3以降のペルソナが失ったものが。ここに。里見直と向き合え。

「正しい側」にいられなかった者へ注がれる優しい視線。3以降のペルソナには掬い上げられない者を掬い上げる視線です。その視線は内向きに閉じたクローズドなものですが、それが刺さったプレイヤーにとって、カリギュラはスペシャルなゲームになるでしょう。

小説版も、普通ならシナリオの中で理解できない存在、相容れない存在として打ち倒されて終わりになってしまうようなあるキャラの内面に深く踏み込むものになっています。酷いのに優しい。毒蝮三太夫。

カリギュラは、RPGとしては全然面白くありません。しかしそれでも確かにスペシャルなゲームでした。

終わり。

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