AT Protocol はOpen SourceでBlueskyへの投稿データもポータビリティーが担保されているから、もしBluesky社がなくなっても大丈夫。みたいな話を聞いたことがある方もおられるかもしれません。筆者は半分正しくて半分誤りかなと思っています。というのはBlueskyに依存しないとは言ったものの、PDSやRelayサーバなどのインフラは今でも多くの人がBlueskyが提供するものを利用しています。「Bluesky社がなくなっても大丈夫」というのは倒れた時にネットワークがシームレスに存続できるようなバックアップとしてのコミュニティインフラがあってこそだと思います。
また、日本のBlueskyでも話題になっていましたが、figさんは負荷が大きいと言われていたRelayサーバーも含めたAT Protocolのインフラ全体をRaspberry Pi の中に実装してしまった人でもあります。初めBlueskyで投稿を見かけた時は、microcosmのこともあまり知らず、物好きな人がいるなーというくらいに思っていたのですが、プレゼンではどのように必要なコストを減少させて来たかその過程が時系列で紹介されていました。こんなに少ないコストで動くようになっているということにまず驚きましたし、「企業による巨額の投資ではなく、コミュニティの寄付や低コストな運用でどこまで大規模なインフラを維持できるか試すことが大事」という話には深く共感しました。
Slide: "Hopefully the core infrastructure is more community led than big business led
AT Confに参加して海外のATmosphereサービスを数多く知ることになりましたが、単なる趣味の開発の域を超え、外部から資金を調達するなどして開発を持続できるような体制になっている(少なくとも持続できる体制を作ろうとしている)ものが多いことに驚きました。勿論、ビジネスにするのが全ての答えではなくて、お金が関係ないからこそ生まれる創造性もあると思いますし、そもそもOSSやフリーウェアに寄付しようとする人の割合が日本と海外では大きく異なるという話も聞きます。
大会中は10-15分のLightning Talkのセッションも沢山ありました。その中でカナダで開発されているGanderと、ヨーロッパで開発されているW Social についてのLTを聞きました。両者に共通しているのは自分たちの欲しい、自分たちの地域にあったSNSを、自分たちで作ろうというコンセプトです。
W Socialは今年の1月の世界経済フォーラムで X に対するヨーロッパの回答という文脈で発表されたことで日本でも話題になりました。そんなW Socialから今回はJanさんがスピーカーとして講演されました。彼は*5IETFでデータモデルの設計をレビュー・指導するYANG Doctorとしても知られています。